(PHP 4 >= 4.0.1, PECL yaz >= 0.9.0)
yaz_record — レコードを返す
   yaz_record() 関数は、現在の結果セットの
   pos で指定した位置にあるレコードを調べます。
  
idyaz_connect() が返す接続リソース。
posレコードの位置。結果セット内の位置は 1, 2, ... $hits で表されます。 ここで、$hits は yaz_hits() が返す値です。
type
       type は、返されるレコードの型を指定します。
      
注意:
Z39.50/SRW サーバーから適切な形式でレコードが返されたことを 確認するのは、アプリケーション側の役目です。このパラメータは 単にクライアント側(PHP/YAZ 内)での型変換についてのみ設定します。
       レコードを文字列/配列に変換することに加え、PHP/YAZ はレコードの
       文字セットを変換することも可能です。
       特に USMARC/MARC21 の場合に文字セット変換が推奨されます。なぜなら
       これらは一般的に結果を MARC-8 文字セットで返しますが、ブラウザでは
       この文字セットがサポートされていないからです。変換を指定するには、
       ; charset=from,
       to を追加します。
       from はレコードの元の文字セットで、
       to は結果の文字セット(PHP によって
       表示されるもの)です。
      
stringレコードは、単純な形式の文字列で返されます。 このモードではすべての MARC レコードが ISO2709 の行単位 フォーマットに変換されますが、これは非常に読みにくいものです。 XML レコードおよび SUTRS は、本来のフォーマットのまま返されます。 GRS-1 は(醜い)行単位フォーマットで返されます。
このフォーマットが役に立つのは、結果を手っ取り早く表示したい場合 - デバッグ中など - の場合です。適切な形式で表示するのには適していません。
xmlレコードは、可能ならば XML 文字列として返されます。 このモードでは、すべての MARC レコードは » MARCXML に変換されます。 XML レコードおよび SUTRS は、本来のフォーマットのままで返されます。 GRS-1 はサポートしていません。
          このフォーマットは string と似ていますが、
          MARC レコードが MARCXML に変換される点が違います。
         
このフォーマットは、レコードが XML パーサや XSLT プロセッサに 渡される場合に役立ちます。
rawレコードは、その本来のフォーマットのままで返されます。 MARC、XML および SUTRS で使用可能です。GRS-1 では動作しません。
MARC レコードは ISO2709 文字列として返されます。XML および SUTRS は文字列として返されます。
syntax
          レコードの構文が文字列で返されます。たとえば
          USmarc、GRS-1、
          XML などです。
         
databaseレコードの該当位置に関連するデータベースの名前を文字列で返します。
arrayレコードは、GRS-1 の構造を反映した配列で返されます。 この型は MARC および GRS-1 で使用可能です。XML、SUTRS はサポートされておらず、実際のレコードが XML あるいは SUTRS であった場合は空文字列が返されます。
返される配列には、GRS-1 の各リーフ/内部ノードに対応するリストが 含まれます。個々のリスト内にもリストがあり、 最初の要素が path でその次が data です(もし data が存在する場合)。
          path は、ルートから各リーフまでの(構造化された GRS-1 レコードの)
          ツリーコンポーネントの一覧を保持します。各コンポーネントはタグ型で、
          タグの値は
          (type,
          value のような形式のペアとなります。
         
tags 文字列は、一般に type 3 の tag に対応します。 MARC は配列で返すことも可能です(内部で GRS-1 に変換されます)。
    
   位置 pos のレコードを返します。もし指定した位置に
   レコードが存在しない場合は空文字列を返します。
  
もし指定した位置にデータベースのレコードが存在しない場合、 空文字列が返されます。
例1 GRS-1 レコードの配列
このような GRS-1 レコードを想定します。
(4,52)Robert M. Pirsig
(4,70)
      (4,90)
            (2,7)Transworld Publishers, ltd.
Robert M. Pirsig です。ルートレベルの 2 番目の
    要素 (4,70) はサブツリーを持っており、そこにはひとつの要素
    (4,90) があります。(4,90) はまた別のサブツリー (2,7) を持っており、
    そのデータは Transworld Publishers, ltd. です。
   このレコードが $p の位置にあるとすると、
<?php
$ar = yaz_record($id, $p, "array");
print_r($ar);
?>Array
(
    [0] => Array
        (
            [0] => (4,52)
            [1] => Robert M. Pirsig
        )
    [1] => Array
        (
            [0] => (4,70)
        )
    [2] => Array
        (
            [0] => (4,70)(4,90)
        )
    [3] => Array
        (
            [0] => (4,70)(4,90)(2,7)
            [1] => Transworld Publishers, ltd.
        )
)
例2 MARCXML の使用
この PHP コードは、MARC21/USMARC レコードを MARCXML として返します。 元のレコードは marc-8(ほとんどの XML パーサはこれを理解できません)なので、 これを UTF-8(すべての XML パーサはこれを理解できなければなりません) に変換します。
<?php
$rec = yaz_record($id, $p, "xml; charset=marc-8,utf-8");
?>
    レコード $rec は
    Sablotron XSLT を使用して
    以下のように処理可能です。
   
<?php
$xslfile = 'display.xsl';
$processor = xslt_create();
$parms = array('/_xml' => $rec);
$res = xslt_process($processor, 'arg:/_xml', $xslfile, NULL, $parms);
xslt_free($processor);
$res = preg_replace("'</?html[^>]*>'", '', $res);
echo $res;
?>